
この本は、沖縄で子育てをする女性たちが、自らの出産体験を通して受け取った気づきや学び、そして、助産師さんからの言葉とそのあたたかさを、これからお産を迎える妊婦さんに届けたい──そんな思いをもとに生まれました。
出産に不安や恐れを抱える妊婦さんに、新しい命を産み出すことへの希望や勇気、そしてあたたかさを届ける本です。さらに、出産を控えた大切な人へ、贈り物としてもふさわしい、祝福と励ましのメッセージブックです。

新しい命を産み出す女性が、自分自身の『産む力』 赤ちゃんの『生まれる力』を信じることの大切さを、実際の体験をもとに綴っています。それぞれのお産のストーリーには、喜びや涙、戸惑い、そして確かな希望が詰まっています。
本書は、妊娠や出産に関する実用的なハウツー本ではありません。「自然なお産が素晴らしい」と一方的に語ったり、医療介入を否定する内容でもありません。
出産を迎えるにあたり、不安や戸惑いを感じる妊婦さんに対して、次のような視点を大切にしています。
- 妊娠出産を通して、心と体に向き合うこと
- 陣痛の本質にある「痛みだけではない意味」に目を向けること
- 信頼できる人との関係を、自ら築いていくこと
- 自分と赤ちゃんに、すでに備わっている力に気づくこと
- 妊娠出産の過程は、その後の子育てや人生の在り方にも繋がること
妊娠・出産に向き合う女性が、自らの経験を通して見つけた「気づき」や「言葉」を丁寧に紡いだ一冊です。
昨今、少子化や産科医・助産師の人材不足、分娩施設の減少など、出産を取り巻く環境にはさまざまな課題があります。日本の妊産婦さんが置かれている状況は、日々大きく変化し続け「子どもを産むことが以前よりも難しくなっている」という印象を拭いきれません。
そのような中で、出産を迎える女性が新しい命を産み出すことに対して不安や怖さだけではなく、希望や勇気を持ち楽しみに思えることは、子どもたちの未来そして社会の未来に深く関わっていると感じます。
お産の不安や恐怖は、ただの妊婦さん一個人の感情の話ではありません。その妊婦さんに希望や勇気を届けるのは、家族や周りの人たち、助産師を筆頭に行う継続的なサポートであり、社会の支え、産む場所や環境にも関係します。お産を迎えるその場所で、女性が主体的に納得できる選択をすることは、今後の子育てや人生にも前向きな影響を与えます。
お産は何が起こるかわからないものです。時には思い描いた通りにならない場合もあるかもしれません。でも、だからこそ──どんな時でも、どんな場所でも変わらない大切なエッセンスを、妊婦さんをはじめより多くの人に知ってほしいと思います。
この先の未来を創る人、世界をつなげていく人たちにとって、女性が本来持っている【産む力】。 そのともしびが消えないことを切に祈りたい。そんな気持ちでいます。
いのちのはじまりのそばに
そっと御守りのように寄り添ってくれる本…
この本が妊婦さんたちの未来に向けた希望となり、少しでも勇気や安心感をもって、出産に臨む手助けとなりますように。
『お産の希望と勇気を届ける12の言葉』むすびやのたね